ナショナル ジオグラフィック の「防災と復興」特集は、
外国人の視点で記録した映像。
今まで見たことがないものばかりで唖然とし・・・
普段受け取る情報の視野は、知らず知らず狭まっているんだと感じています。
一泊で岩手へ行って来た。
私が小さい頃からお世話になり、
家族ぐるみで親しくしていた方に久しぶりに会ってきたのだ。
盛岡に住んでいるので、沿岸部の津波のような被害は受けなかったのだが、
震災以降に会うのは初めてだったので、顔と顔を合わせて話せてほっとした。
せっかく来てくれたから・・・と、市内の観光案内をして下さった。
朱色が美しい盛岡八幡宮。手を合わせ祈る。
有名な「鬼の手形」の岩。
歴史の残る雑貨商のおじいちゃんが、すごーくいい方だった。
小雨の中、私たちが見えなくなるまでおじぎをし、
手を振ってくれたのが忘れられない。
宮沢賢治、生前唯一の童話集「注文の多い料理店」を発刊した光源社。
今は全国にファンを持つ素敵な工芸店だ。
花巻まで車を走らせ、宮沢賢治記念館も訪れた。
山の木々は少しずつ色づき、秋が南下しているのを実感する。
旅の道中、震災以降の岩手での色々な話を聞いた。
復興への道のりは長く、容易ではないと改めて思う。
岩手は、『透明な力』を持っている。
そんな印象の土地だった。
風や光や雲や、人のあたたかさから伝わってくる印象が、
混じり気がなく、すきとおっているような感じ。
それと、自然が豊かで、「ふるさと」らしい土地だと思った。
山や川、田園風景が広がり、新潟と似ているところもある。
岩手という自分の生まれ故郷を愛する人は沢山いるだろう。
そして、その故郷が、なす術もなく深く傷ついたことに心を痛め、
大きな喪失感と向き合っている人たち。
それでも着実に、一歩ずつ前へと歩んでいる。
たった一泊の岩手滞在だったが、一週間ぐらい居たような気がする。
ひとつひとつの光景が、脳みそに強く焼き付いたからだと思う。
帰りの新幹線の中で、盛岡の書店で見つけた一冊を読了。
震災後、『雨ニモマケズ』に代表される宮沢賢治の作品が、
自然発生的に広まったと聞いた。
言葉にならないかなしみに直面している今だからこそ、
言葉が、人の心を優しく拾い上げる瞬間があるのかもしれない。
それぞれの胸に湧き上がる気持ち。
様々な形で、記録と記憶に残していくことが大切に思えた。