直感以上に実感が大事だと思います。
昨日は、インターネットで色々探していて偶然見つけた、
『被災地のこどもに絵本を送ろう!Project』のお手伝いに行って来た。
津波で流されてしまった絵本。
大人たちが復旧復興に向け忙しくなる一方で、子供たちが置き去りになる現状。
そんな中、少しでも子供たちの心を癒したり、親子の時間を作ってもらえたら。
こうした想いが、プロジェクトが立ち上がった背景だという。
これまでに、6000冊を超える絵本や児童書が全国各地から寄せられ、
昨日はその最後の仕分け作業だった。
テーブルの上に山積みになった絵本。
東京を中心に、福岡や大阪、愛知や群馬など、
遠方からもたくさんの気持ちが届いていた。
一般絵本やキャラクター本、幼児向けなど、
それぞれのカテゴリーに分けて、どんどんダンボール箱に詰めていく。
あっという間に廊下までいっぱいに。
懐かしい名作絵本もたくさん。
あーっ。小さい頃、母親の膝の上で読んでもらったなぁ。
と思わず笑みがこぼれる。一瞬だけ。
そしてまた作業へ戻る・・・その繰り返し。
蒸し暑い畳の間。
有志で集まった大人17人が汗だくになりながら、作業を進めていく。
黙々と、テキパキと、淡々と。
ひとつ、皆が心がけていたのは、受け取った人の気持ち。
八百屋を営む女性が、大事な一言。
「子供が箱を開けた時に、わぁっ!と笑顔になれる。
そんな詰め合わせにしましょうね。」
あまりに見た目がボロボロな絵本は入れない。
カバーが汚れていたら、カバーを外して。
シリーズものは一緒にして。
出来上がったのは、ダンボール69箱分の絵本の詰め合わせ。
これらを、岩手県で被災地支援に力を入れる地元のある方が一旦受け取って下さり、
そこから陸前高田や大船渡などに贈られるとのこと。
このプロジェクトを立ち上げた方と絵本を分けて下さる方、
そして実際に必要としているところへ地道に配ってくれる現地の方、
その両思いで実現しているんだと痛感した。
この中から1冊でもお気に入りの絵本が見つかるといいな・・・
ダンボール箱に向かって、ささやかな念を送る。
プロジェクトの代表の方が最後に話して下さった。
「ニュースで報道されるのは、変化のあるところ。
変化のない(ないように見える)ところは報道されない。
そんな中でも、少しでも前を向こうと頑張っている方々がたくさんいます。」
私はニュースを報道する側の立場にいたので、この言葉は痛いほど胸に沁みた。
仰る通り、変化を求める毎日を過ごしてきたから。
ニュースとして取り上げる判断基準も大体わかる。
本当に必要とされていることとの「ギャップ」を感じずにはいられなかった時もある。
ただこの類のジレンマは、この世界に身を置く限り、
すぐに解消されるものではないとも思う。
だから、常に疑問を持って考え続けること。
そして微力でも行動すること。
自分のできる範囲でできることを。
大袈裟でなくてもやる。
想いを途切らせない。
色んな意味で、井の中の蛙じゃいかん!と、
自分を省みる時間にもなった。
昨日は、すでに絵本の受付は締め切っていたものの、
少しでも・・・と思って、
大好きな『11ぴきのねこシリーズ』の絵本とかるたを持って行った。
(作者の馬場のぼるさんは、東北・青森出身です。)
ねこの愛嬌とユーモアが詰まった明るさが、子供たちに届きますよう。