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5/07/2012

ツバメのたび、それは人生のよう。

どうも、近藤です。
昔から、鳥の巣箱に憧れています。

先日、マラソンの仕事で富士山駅へ行ったとき。
心弾む出来事があった。
富士山駅の”看板”の裏側に・・・。
わかります?
なにやら、鳥のつがいの姿が・・・。
そーっと近づいてみる。
もしかして!!?
愛用の一眼レフで、静かにズーーーーム!!!!
ツバメだっっっ!!
土とわらを運んで、せっせせっせと、巣作り中だった。

オレンジと藍色の羽のコントラスト、輝く瞳。
なんて美しい・・・。
「ためいきがこぼれる」って言葉は、こういう時に使うんだろう。
今年初めて出会ったどころか、
こんなに間近で見るのは、子供の頃以来かも。

すぐさま頭に浮かんだのは、
ツバメの絵本を子供たちに読んであげたい!ということ。
我ながら、何かにはまるとまっしぐら。。。

早速、ツバメに関する一冊を手に入れた。
ものすごく気に入って、
この週末に参加した絵本講座にも、読み聞かせ用に持参した。
『ツバメのたびー5000キロのかなたからー』
作・絵 鈴木まもる (偕成社 2009年)

5000キロ離れた南国マレーシアを飛び立った、一羽のツバメ。
山を越え海を越え、嵐をも乗り越え日本へたどり着く、
長い長い道のりを描いた絵本だ。

これを読んだ子供たちが、
ツバメの巣を探しに行きたい!とワクワクしてくれたらいいな。
ツバメと出会った時に、この絵本を思い出してもらえたらいいな。
そんな気持ちで選んだ絵本だったが、くり返しくり返し読んで深読みするうち・・・、
大人に向けたメッセージを感じるようになった。

だれかが ぼくを よんでいる
とおくで ぼくを よんでいる

みんな すきなところにいけ
ぼくは ぼくの ばしょにいく
ぼくを まっているところへ いく

まるで、人生のようだ。
長い人生、おだやかな日もあれば、嵐の日もあるだろう。
時には、立ち止まって休みたい時もある。
それでも走り続けるのは、
この絵本の主人公、ツバメの旅路のように、
大切な何かに呼ばれているからだとしたら・・・。
それは、一生のパートナーか、一生の仕事か、はたまた、一生のライフワークか・・・。

最後のページをめくった瞬間、そこに待っていたもの。
感動で気持ちがあふれだした。

鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさんの、
躍動感あるリアルな絵と、リズミカルな文章が、最後までドキドキさせてくれる。

絵本講座で読んでみたら、
十人十色の感想や、オリジナリティあふれる解釈が聞けた。
人によって捉え方や感じ方が随分違って、実に面白かった。
それは、それぞれが、自分の体験や知識を通して、
シンプルな文章で構成される絵本の、”行間を読む”から。

大人は、無意識に自分の心を投影し、絵本を読んでいるのだ。
ふわり、私にも羽が生えるような、空を飛べるような、
嬉しい学びがたくさんあった。感謝。