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8/20/2018

ダイアログ・イン・サイレンスと『めとめがあったら』

この夏、大切な気づきを得た一日。
期間限定で開設されていた、

3年前に、
を体験したときの衝撃が忘れられず。(当時のブログはこちら
今回も楽しみに、
友人と一緒に行ってきた。
アテンドしてくださったエミルさんと。
2人のポーズは、
手話で「好き」を表現している。

「ダイアログ・イン・サイレンス」とは、
音のない世界で、
言葉の壁を超えた対話を楽しむエンターテインメント。
ダークと同じく発祥はドイツで、
これまでに世界中で100万人以上が体験しているという。

案内するのは、
音声に頼らず対話をする達人、
聴覚障がいのある方。

参加者はすべての音を遮断するため、
大きなヘッドセットを装着。
他の参加者と一切おしゃべりをせずに、
身ぶり手ぶり、アイコンタクト、豊かな表情を駆使して、
様々なワークショップをしながら対話をすすめていく。

これがとても難しかった!
声や言葉を使わずに、
どうやって伝えたらいいんだろう・・・!?
相手の伝えようとしていることが、
よくわからない・・・!
何度も何度も、
もどかしい気持ちになった。

いかに普段、
音や声、言葉に頼って生活しているかを、
まざまざと思い知らされる時間だった。。

そして、
しいいんとした静寂の中で、
すこしずつすこしずつ、
集中力、観察力、表現力が高まっていくのも感じた。

最後にエミルさんを囲んで、
参加者の皆さんと感想を語り合う時間があった。

わたしもどうにかこうにか、
ボディランゲージで伝えてみた。
「まもなく2歳になる息子は、
まだたくさんおしゃべりができない。
彼が伝えたいことを、
わたしはちゃんと汲み取ってあげられなくて、
毎日困っているんじゃないかなと思った。」

エミルさんの返事はこうだった。
「しっかり目と目を合わせれば、大丈夫」。

実はエミルさんのご両親も、
聴覚に障がいがあるとのこと。
赤ちゃんのころからずっと、
目と目を合わせてたくさんの会話をしてきたのだと。

そうほほえみながら伝えてくださったエミルさん。
包み込まれるような優しさに満ちた笑顔が、
忘れられない。

日々あっという間に過ぎていくけれど。
時には家事や仕事の手をとめて、
息子ともっともっと目と目を合わせて、
他愛ないコミュニケーションを楽しみたいと思った。

まだ言葉にならなくても、
彼が一所懸命伝えようとしている思いに、
しっかり耳を澄ませたい。

たくさんしゃべりだす前の、
限られた貴重な時間。
後悔しないように、
味わい尽くしたいと思った。

息子と読んできた絵本『めとめがあったら』
もともと好きな絵本だったけれど、
ますます大事にしたい1冊になった。

それから、
聴覚にハンディキャップのある方は、
外出先でどんなことに困っているのか。
周囲の人は、
何を手助けできるのかも聞いてみた。

エミルさんによると、
例えば電車が止まったときに、
その理由を説明するアナウンスが聴こえないのが困るそう。
手話ができる人はなかなかいないので、
筆談で教えてほしいとおっしゃっていた。
いまは携帯電話を使って、
言葉を打つこともできるから。

聴覚障がいのある方は、
白杖などを使っている視覚障がいのある方に比べて、
周りの人たちが気づきにくいけれど。
エミルさんはいつも、
耳が聴こえないということがわかるバンダナを、
腕に巻いているそうだ。

こころに留めておきたい。

まずは簡単な手話から覚えようと思った。
あとは恥ずかしがらずに、
全身を使ったコミュニケーションに挑戦したい。
言葉の壁は大きいけれど、
きっと超えられる。
2019年夏の期間限定開催も決まったとのこと。
おすすめします。

ダイアログ・イン・サイレンス