甥っ子はウルトラマンが大好きです。
2泊3日の、八ヶ岳でのお仕事から帰京。
『第18回星の郷八ヶ岳野辺山高原100㎞ウルトラマラソン』の
“ウルトラMC”を務めてきた。
私自身は、
ウルトラマラソン(フルマラソン以上の距離を走るマラソン大会)を走ったことはないけれど、
ウルトラMCと名乗るからには、ウルトラ元気にランナーを盛り上げよう!
と思い臨んできた。
ウルトラリポーターの倉林さんと、やる気満々のガッツポーズ。
・・・結果、2日目に声が枯れてしまい、
声が命のプロとしては、とても悔しい思いをしたのだが。。。
こんなにいい大会を、一人でも多くの人に知ってもらいたく、リポートします!
ウルトラマラソンはいま、全国各地で13大会ほど展開されていて、
それぞれの大会に特色がある。
先月の『チャレンジ富士五湖』に続いて、まだ2大会しか経験していないが、
一つとして同じレースがないことを強く実感してきた。
朝5時のスタート。
42㎞、71㎞、100㎞の3種目があり、
参加ランナーは、過去最高の2531名だった。
地元密着度の強い大会で、
周辺5町村が主催となり、全国から集まるランナーをあたたかく歓迎しているのが素晴らしい。
八ヶ岳の大自然を走るコースは、景色も空気も清々しく、壮大。
コース上には、“命の水”と言われる自然湧水もある。
しかし、ランナーが挑戦する道のりは、凄まじく険しい。
じゃりの多い林道を走ったり、峠を越えたりと、
信じられないほど起伏が激しいのだ。マラソンというより、山登り!?と思うほど。
最高地点は標高1908mで、最大高低差は、なんと1000m以上。
日本一タフなレースと呼ばれるほど過酷な大会である。
だからこそ、涙なしには語れない、様々なドラマを目の当たりにした。
例えば・・・
100㎞のコースを10回完走した猛者には、
『デカフォレスト』という称号が与えられる。
つまりそれは、10年以上も、この過酷なレースを走り抜くための、
気力と体力を維持してきたランナーを意味している。
今大会では、14名もの新たなデカフォレストが誕生した。
その中には、御年64歳の男性ランナーも。
今年はもう無理かも・・・とあきらめかけた瞬間もあったそうだが、
周りのランナーや沿道の声援に励まされ、制限時間ぎりぎりにゴール。
インタビューをさせて頂きながら、
疲労困憊の中、喜びの込み上げる表情が、まぶしかった。
しかも、その場にいる皆が、このレースのハードさを痛感しているだけに、
フィニッシュの瞬間、会場から沸き起こる拍手もすごくて、胸が熱くなった。
中には、伴走者と共に完走した視覚障がいを持つランナーもいて、
その姿を見届ける雰囲気にも感動した。
フィニッシュ近くの沿道で、ランナーとハイタッチしてくれる人も多い。
12時間以上走っているお父さんを、ゴール地点で待つ子供たちもいた。
最後は親子3人でフィニッシュテープを切り、
パパを見上げる子供たちの瞳はきらきらしていた。
“星の郷”らしく、八峰の上に八つの星が輝くデザイン。
本当に、いい大会。
ウルトラマラソンの魅力は、底知れない。
これまで、様々なジャンルの現場で仕事をし、多くの経験をさせてもらってきた。
正直、私のアナウンサー人生の中でも、一番タフな仕事。
そして、ものすごく、感じる事の多い仕事だ。
ランナーはもちろん、応援する人、ボランティアの皆さん、そして運営スタッフ・・・
関わる全ての人たちの「ハートの熱さ」や「誇り」が、伝わってくるからだと思う。
この仕事に出会うと出会わないとでは、
私の仕事観は大きく違ったであろう。確実に。
最後に、ウルトラスピリッツを全国に広める、
レースプロデューサーの坂本雄次氏と。感謝。