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3/29/2017

ビブリオバトル司会

ここ数年、読売新聞主管のもとで開かれる、
ビブリオバトル全国大会の司会を務めさせていただいている。

「人を通して本を知る、本を通して人を知る」をキャッチコピーに、
全国に広がりを見せている知的書評合戦。
読書の甲子園とも呼ばれ、
高校生大会、大学生大会と熱戦が繰り広げられてきた。
そして今回はついに、中学生大会!
全国の中学生バトラーが集まっての決戦である。

選書も、5分間のプレゼンも、その後の質疑応答も、
実に個性豊かで見ごたえがあった。

その1冊がいかに人生に衝撃を与えたか、
ボロボロになった本を握りしめながら実直に語る中学生。

司会の私とのLIVEのやりとりを取り入れつつ、
その本に思わず興味を引かれるような鮮やかなプレゼンを進める中学生。

鉄道関連の愛読書片手に旅をして、
インターネットの乗換案内サイトでは味わえない世界に魅せられた中学生。

なんてすばらしい、
本を愛する若人たちの声。

検索すればなんでも情報が手に入り、
ともすると興味の範囲が狭くなる可能性もある時代に。

個人の強烈な体験を、
語ることで共有する。

誰かの読書体験に耳を傾けることで、
自分の世界が思わぬ形で広がっていく。

語る方もきく方も、
他者に開かれているところが、
ビブリオバトルの大きな魅力だと思う。

中学生たちの清々しいバトルに、
ざぶざぶ心が洗われて。
気づいたら、
ふだんの絵本活動に思いを馳せていた。

できれば子どもたちにとって、
本を嫌いにならない体験をプレゼントしたい。
いつしかそれが、
一生ものの本との出会いにつながることもあるだろうから。