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6/01/2012

VOiCE福島へ。

どうも、近藤です。
わが家の絵本棚は、家の中で一番好きな場所です。

先週の日曜日、震災後初めて、VOiCEで福島を訪れた。
メンバーは、読み手の千野さん、政井さん、私・・・
そして、敦子さん、さやかちゃん、順さんの合わせて6人。
親子が集まる、放射線に関する講演会や健康相談会の合間に、
詩の朗読をさせて頂いたり、
子供たちと一緒に絵本を読んだり、
折り紙をしたり、パネルシアターをしたり、遊んだり、してきた。

放射能測定所で、様々な測定機器なども見学し、学ばせて頂いた。


実際に足を運んでみて、現地で肌で感じること、
福島に暮らす皆さんの生の声を聞いて感じることは、
想像していた以上に強く心に響き、様々なことを考えさせられた。
心に留めて、忘れずにいたい。

詩の朗読の場面で私が読んだのは、一冊の絵本。
大人も子供も楽しめるものにしてみた。
『わたしとなかよし』
ナンシー・カールソン 作 なかがわちひろ 訳 (瑞雲舎 2007年)
最近出会った絵本だが、きっと、今後続いていく私の活動の中でも、
大事な一冊になると思う。
世界中で翻訳されていて、特にアメリカでは、
学校の授業の“副読本”として、広く知られているそう。
原題は、『I like me』。
主人公は、自分のことが大好きな、ブタの女の子。
自分が大好きだから、自分を大切にする。
うんと楽しいことをしてあげたり、
毎朝、鏡に映る自分に向かって「きょうもかわいいね!」と話しかけてあげたり、
失敗しても、落ち込んでも、へっちゃらへっちゃらって、自分を励ましてあげたり。
自分を大切にしてね。自分のことを、ずっと好きでいてね。
という願いが込められた、シンプルでいて、とても深い絵本。

先日、この絵本を日本で出版した「瑞雲舎」の方に、
お話を伺う機会に恵まれた。
出版当初、主人公がブタの女の子であることが日本ではウケず、
絵もカラフル過ぎて外国っぽいからと、あまり売れなかったそう。
それが、私たちのような読み聞かせをする人たちの間で、
この絵本が持つメッセージの素晴らしさが口コミで広まり、
いま、販売数がどんどん伸びているとのこと。
世界の子供たちに比べて、
自己肯定感が低かったり、周りに合わせすぎて、自分のことが好きじゃなくなったり・・・
そんな子供たちの多い、今の日本でこそ、
この絵本が広く伝わっていってほしい・・・そんなお話を聞かせてもらった。

人間は、自分を愛す深さまでしか、他の人を愛せない。
それは本当かもしれないなぁ。。
自分を愛すること、大切にすること、全ての原点ではないだろうか。

今回は、「じぶんをまもる」というタイトルの講演会の前に読ませて頂いたのだが、
自分を守ることは、自分を大切にすることに繋がると思っての選書だった。

子供たちと遊ぶ時間では、大型絵本が大活躍!
少しずつ数を増やしている、手作りパネルシアターも、
喜んでもらえたかな?
こちらは、私の実家から車で運んだ、超大型絵本。
みんな身を乗り出して聞き入ってくれて、嬉しかった。

『ちか100かいだてのいえ』
作・絵 いわいとしお (偕成社 2009年)
珍しい形の上、ページをめくるたびに、
どんどん主人公が地下にもぐっていくという、
遊び心のあるストーリーが、子供たちも気に入ってくれたよう♪

すぐそばで、2歳の娘さんの様子を見ていたお父さんが、
こんなことを話して下さった。
「今日のように、心にある不安を聞いてもらうだけでも、少し楽になれるんですよ。
僕もこうして、子供の笑顔を見るとほっとします。」

目に見えない放射線と向き合わなければいけない生活は、
日々、途切れることのない心労が重なることだろう。
小さなお子さんがいたらなおさら・・・。
それは、決して他人事ではない。

今後の活動のヒントにもなる、貴重な経験をさせて頂いた。
ひとつひとつの実体験を、さらに意義あるものへ・・・
笑顔の明日へ・・・

一緒に遊んでくれたみんな、どうもありがとう。
そしてお世話になった皆様、ありがとうございました。

(VOiCEホームページでの活動報告は→こちら。)