この夏、大切な気づきを得た一日。
期間限定で開設されていた、
3年前に、
を体験したときの衝撃が忘れられず。(当時のブログはこちら)
今回も楽しみに、
友人と一緒に行ってきた。
アテンドしてくださったエミルさんと。
2人のポーズは、
手話で「好き」を表現している。
「ダイアログ・イン・サイレンス」とは、
音のない世界で、
言葉の壁を超えた対話を楽しむエンターテインメント。
ダークと同じく発祥はドイツで、
これまでに世界中で100万人以上が体験しているという。
案内するのは、
音声に頼らず対話をする達人、
聴覚障がいのある方。
参加者はすべての音を遮断するため、
大きなヘッドセットを装着。
他の参加者と一切おしゃべりをせずに、
身ぶり手ぶり、アイコンタクト、豊かな表情を駆使して、
様々なワークショップをしながら対話をすすめていく。
これがとても難しかった!
声や言葉を使わずに、
どうやって伝えたらいいんだろう・・・!?
相手の伝えようとしていることが、
よくわからない・・・!
何度も何度も、
もどかしい気持ちになった。
いかに普段、
音や声、言葉に頼って生活しているかを、
まざまざと思い知らされる時間だった。。
そして、
しいいんとした静寂の中で、
すこしずつすこしずつ、
集中力、観察力、表現力が高まっていくのも感じた。
*
最後にエミルさんを囲んで、
参加者の皆さんと感想を語り合う時間があった。
わたしもどうにかこうにか、
ボディランゲージで伝えてみた。
「まもなく2歳になる息子は、
まだたくさんおしゃべりができない。
彼が伝えたいことを、
わたしはちゃんと汲み取ってあげられなくて、
毎日困っているんじゃないかなと思った。」
エミルさんの返事はこうだった。
「しっかり目と目を合わせれば、大丈夫」。
実はエミルさんのご両親も、
聴覚に障がいがあるとのこと。
赤ちゃんのころからずっと、
目と目を合わせてたくさんの会話をしてきたのだと。
そうほほえみながら伝えてくださったエミルさん。
包み込まれるような優しさに満ちた笑顔が、
忘れられない。
*
日々あっという間に過ぎていくけれど。
時には家事や仕事の手をとめて、
息子ともっともっと目と目を合わせて、
他愛ないコミュニケーションを楽しみたいと思った。
まだ言葉にならなくても、
彼が一所懸命伝えようとしている思いに、
しっかり耳を澄ませたい。
たくさんしゃべりだす前の、
限られた貴重な時間。
後悔しないように、
味わい尽くしたいと思った。
息子と読んできた絵本『めとめがあったら』。
もともと好きな絵本だったけれど、
ますます大事にしたい1冊になった。
*
それから、
聴覚にハンディキャップのある方は、
外出先でどんなことに困っているのか。
周囲の人は、
何を手助けできるのかも聞いてみた。
エミルさんによると、
例えば電車が止まったときに、
その理由を説明するアナウンスが聴こえないのが困るそう。
手話ができる人はなかなかいないので、
筆談で教えてほしいとおっしゃっていた。
いまは携帯電話を使って、
言葉を打つこともできるから。
聴覚障がいのある方は、
白杖などを使っている視覚障がいのある方に比べて、
周りの人たちが気づきにくいけれど。
エミルさんはいつも、
耳が聴こえないということがわかるバンダナを、
腕に巻いているそうだ。
こころに留めておきたい。
まずは簡単な手話から覚えようと思った。
あとは恥ずかしがらずに、
全身を使ったコミュニケーションに挑戦したい。
言葉の壁は大きいけれど、
きっと超えられる。
2019年夏の期間限定開催も決まったとのこと。
おすすめします。
ダイアログ・イン・サイレンス