仕事の打ち合わせ帰りに、
ひとりでゆっくりみることができて良かった!
赤ちゃん絵本の新定番として大人気!
かがくいさんの『だるまさん』シリーズは、
累計550万部を突破している。
この展覧会は、
シリーズ発刊10周年を記念して企画されたもの。
『だるまさん』のほか、
かがくいさんの代表作の原画が展示されていた。
決して広くないスペースだけれど、
原画のほかにも魅力的な展示がいろいろ。
言葉にならない感動でいっぱいになった。
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まずは年譜の前で動けなくなる。
かがくいさんは、
絵本制作に専念するまでの28年間、
特別支援学校の教師として、
ハンディキャップのある子どもたちをサポートし続けた方。
50歳で絵本作家デビューし、
54歳ですい臓がんで急逝。
そのわずか4年の間に、
16冊もの絵本を遺された。
そのほかかがくいさんのお人柄が伝わる、
くわしいご経歴を振り返っただけでも、
唸ってしまった。
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そして何よりこころ動かされたのは、
教員時代の活動を記録したVTRだ。
子どもたちに向けて制作した手遊びの数々や、
生徒さんとの実際のやりとりを動画でみることができた。
発達に遅れがあったり、
言葉に不自由があったりする子どもたちでもわかる、
動きとリズムで見せる人形劇や、
手作り教材のほか、
生徒さんを登場させたオリジナル絵本など。
かがくいさんは、
ひとりひとりの状態に合わせた様々な制作を通して、
子どもたちが喜ぶ表現、
笑いや表情を引き出す方法を研究し続けたそう。
生徒さんといっしょに横になって、
絵本を読み語るかがくいさんの肉声は、
深いやさしさに満ちていた。
子どもたちに真に寄り添った言動には、
笑顔とユーモアも欠かさず。
かがくいさんの絵本が、
子どもたちを夢中にさせるひみつ。
周りの大人たちをも幸せにした、
人となりであったこと。
すべて、この原画展から伝わってきた。
だるまさんシリーズの続編となる貴重なラフスケッチや、
かがくいさんご自身が、
絵本作家としてしあわせに思うこと8ヵ条も必見。
ここで感じたことを、
子どもたちに、親御さんたちに、
私なりの方法で届けていきたい。
届けていけますように。
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かがくいひろし絵本原画展
だるまさん10周年特設サイト