フランスで23万人が観た感動作として話題の、
ドキュメンタリー映画。
主人公は、
重い病をかかえた5人の子どもたち。
時には、痛く、辛く、
泣きたくなるような治療を続けながらも、
家族や友達とたくさん笑い合い、
一日一日をせいいっぱい謳歌する。
そんな彼らの表情や言葉たちが、
こころから離れない。
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テュデュアルは語った。
「病気でも幸せになれるんだよ」
幸せは自分次第、
どう生きるかが大事なんだと、
静かに語る聡明さと。
カミーユは言った。
「死んだら、病気じゃなくなる」
もし病気じゃなかったら・・・
そう考えたことがあったからこそ生まれた一言。
これからも病気と付き合っていくのだと、
肌で感じている覚悟と。
まだ小さな彼らが、
数えきれないほどの苦しみ、悲しみ、怒り、
どうしていいかわからないきもちを経験しながら、
いかにして希望のありかを見つけ出したか。
計り知れない世界だけれど、
想像せずにはいられなかった。
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監督は、フランスの女性ジャーナリスト、
アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンさん。
難病を抱えた2人の娘さんと闘病生活を送り、
看取った経験を持つ方。
亡き娘さんとの日々を綴ったエッセイ、
『濡れた砂の上の小さな足跡』(講談社刊)。
人生はどれだけ長く生きるかではなく、
どう生きるか・・・
そんな彼女の想いが込められた1冊は、
フランスで大ベストセラーになり、
世界各国で翻訳されているという。
親として、母親として、
子どもの病気と死について、
どう受け止め乗り越えてきたのか。
こちらも読んでみようと思う。
聖路加国際病院顧問で小児科医の細谷亮太先生。
監督が来日されたときには公開対談し、
映画のパンフレットにコメントも寄せている。
細谷先生は、
映画に登場する子どもたちが、
病気について深く理解し、
自分の言葉で周囲に語れることに注目されていた。
先生によると、
日本では子どもに病名が伝えられぬまま治療を行う、
という状況が長く続いた過去がある。
すこしずつ改善されてきたものの、
自分の病気についてきちんと知っている子どもは、
いまでも少ないのが現実だそう。
子どもたちが、
一緒に病と闘う家族はもちろん、
医師や看護師さんたちと強い信頼関係で結ばれているのを感じたのは、
病気について隠さず、
あらゆることを共有している影響が大きいのだろう。
周りの大人たちがみな、
子どもひとりひとりの尊厳を大切にしていることが、
どの場面からも伝わってきた。
*
この映画は、
スマイリングホスピタルジャパンを通して知り合った、
カメラマンの戸取志織さんと鑑賞。
病院での活動についてお互い感じていることなど、
いろいろ語り合えてよかった。
ささやかながら今後も活動していく動機と力を、
改めてもらえた映画だった。
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映画館には、
夏休み中の小学生と思われる子どもの姿も。
今後も全国で順次上映されていくそう。
子どもたちが教えてくれたこと、
たくさん、たくさんありました。
おすすめします。
『子どもが教えてくれたこと』公式サイト
http://kodomo-oshiete.com/