スマイリングホスピタルジャパンの活動で、
慶應義塾大学病院の小児病棟を訪問。
今年最初のSHJ活動だった。
自宅から持参した絵本を並べ、
子どもたちのリクエストにこたえて読んでいく。
直感で選ぶときの子どもたちの瞳。
きらりと輝いているのがいい。
まだ寒い時期だったので、
手ぶくろが出てくる絵本も。
絵本を読んだ後には、
色画用紙と毛糸を使って、
オリジナル手ぶくろ作りに挑戦!
親子でワイワイにぎやかに。
すてきだなぁ♡
いつも見本を作っていくけれど、
今回もまた、
子どもたちの豊かな想像力に完敗だった(笑)。
保育士さんの一言に、
なるほどと思う。
「長期入院している子どもたちは手先が器用になるから、
工作が向いている。またぜひ。」
こちらは、
病棟に貼ってくださっているポスター。
おかげさまで、
病室でまだかまだかと楽しみに待ち、
始まる時間に笑顔で飛んできてくれた子もいた。
*
この日は、
プレイルームだけではなく、
病室もじっくりと回ることができた。
そこでこころに残った出来事を。
ベッドで横になっていた、
生後7ヶ月の男の子。
保育士さんがお膝に抱っこしてくださり、
2人の前にわたしが。
赤ちゃん向けの絵本も何冊か持参していたけれど。
ふと読んでみようと思った、
『あなたがだいすき』
(作:鈴木まもる/ポプラ社)を開いてみた。
わたしは あなたが だいすきです
せかいで いちばん あなたがだいじ
あさも ひるも よるも あなたといっしょ
いつでも あなたを まもってあげる
・・・
あなたが かなしいときは だきしめてあげる
あなたが ないたら なみだを なめてあげる
あなたが つかれたら いいこ いいこ してあげる
・・・
みんな あなたが だいすきです
保育士さんは、
絵本の言葉にあいづちを打ったり、
文章や絵に合わせて、
男の子をぎゅぎゅっと抱きしめたり。
そんなやさしい保育士さんの温もりを感じながら、
絵本の絵を見たり、
読んでいるわたしの顔を見たり。
物語の意味を理解できている訳ではないけれど、
終始ニコニコとごきげんな男の子。
もちろん、
重い病気を患っているのですが。
体調のよい時間でよかった。
誰かに絵本を読むことは、
「あなたがだいすき」と伝えること。
それは、
たとえ親子でなくても、
保育士さんでも、
わたしのような読み手であっても。
周りにいる誰しも、
1冊の絵本があればできるのだ。
スマイリングホスピタルジャパンのHPには、
こんな風に書かれている。
===
病気や障がいと闘う子どもたちが笑顔になるとき、それはアートに触れているとき。さまざまな分野のプロの芸術家が、創造性あふれる豊かな時間を子どもたちと共有しています。楽しい経験や達成感をたくさんもつことで、闘病への活力が増し、治癒力が高まると私たちは信じています。スマイリングホスピタルジャパンは、小児医療の現場に笑顔と笑い声が当たり前にある社会を目指します。
===
SHJの一員として、
団体が目指す活動に近づけたらいいな。
と願いつつ。
それとはまた別の次元で、
とてもシンプルに、
目の前にいるあなたがだいすきと伝えたい。
そういう自分の想いの輪郭を、
はっきりと感じたひとときだった。
わたしが病院で子どもたちと絵本を読み合う理由を、
あらためて実感させられた。
そして、いちばん大事なのは、
だいすきという気持ちは、
絵本を通してちゃんと届くということ。
それは、
男の子の表情から確かに伝わってきた。
絵本を読み合うという行為は、
お互いの愛情を分かつ、
すてきな方法のひとつなのだ。
わたしには絵本があるから、
こうして読み続けたい。
母親になって、
より一層子どもたちが愛おしくなったことも大きいだろう。
SHJ代表の松本恵里さんが、
活動を立ち上げた動機についておっしゃっていたこと。
「ただただ、子どもたちのそばにいたかった」
その言葉の意味がいま、
すごくよく分かる。
7ヶ月の男の子が気づかせてくれた大切な感情を、
きっと忘れない。
認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパンHP
松本恵里代表のブログ『子どもたちから学んだこと』